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★ ★ 「今日は俺の誕生日やから何でも言うこと聞いてくれるって言うから飲みに付き合えや言うたのに なんでそんな気合の入ったまるで高級ホテルで長年付き合ってた彼女にプロポーズするみたいな格好 してるんぶっちゃけホンマ俺んちには似合ってないしというか格好良すぎや徳井クン。」 「福田、お酒買っといたで」「ああ、うんありがとな」 気だるい気持ちを引きずりながらも徳井を家に入れたときにああ後悔の念に襲われた。 自分は徳井がここまでしてくれるとも思わずね、はい家はいつも通りなのです(つまり汚いってことや) そんなことお構い無しに入っていく徳井クン、ちょっとくらい叱ってくれてもええのにナ。 「じゃあ、そうやな、とりあえず飲むか」徳井クンが言いながらにもうビンを一本開け始めた。 缶ばかり買ってくるかと思いきや、中には名の知れたカクテルなども散乱していた。 「徳井クン徳井クン、それ、神風ちゃうん?」ラベルで気になるものを見つける、 どうもこの男はロマンチスト度が30%ほど含まれているらしい。そんな昔の名残を買うなんて、 「ああ、福田の酒。折角だし買ってええんちゃうかな」「うん、ありがとな、飲む」 徳井クンから受け取った其れは妙に手になれない、違和感が漂う、たぶんこれが大人の飲む酒の感覚なんだろう 小さい頃の徳井クンと俺は、そんな事知るはずもなく酒を楽しんでいた。今にして思えば こんな小洒落た物を飲む俺たちはあのころが一番輝いていたのかもしれない。 「徳井クン」「ん」 飲み始めると素に戻ったのか、徳井クンは静かに甘めの酒に口を寄せていた。 酔いに弱い所為かもうペースは遅く、まだ三十分もしていないうちに 酒は終わろうとしていた。「今日は、ありがとな。明日も仕事はいっとるし、かえろか?」 徳井の目になるべくあわせるようにワントーン下げて喋る。徳井はどうやらまだ酔っていなかったらしく すぐにこちらに目を合わせて微笑んだ、「なんや、もう終わりにしたいん?」 「そうやないけど・・・あんまり仕事に支障来したくないやん」「ええよ、まだ。」 徳井はそういうと目線をより深く自分に向けてきた、この男前、 俺を落す気か。何人もの女がこの瞳に落ちて来た。長年連れ添った自分でも徳井の瞳には戸惑いが隠せない (それが自分の性分かもしれないのだけれども)ちょっと捻った首から見える鎖骨がまた妙に色気があって、 体格の良い彼に映えて厭らしい。酔いもある、本当に、怖い男だ。 「福田、」 口が開くと毀れた吐息に混ざって自分の名前で耳が震えた、喉の奥に渇いた 生唾が通る。この酔いの廻った声に何人もの女が体を捧げたのだろう、 淫らに見えてきた其の掌がゆっくりとこっちへ近づく、 「プレゼント、あげたるよ」「・・うん・・・」掌が口に触れず頬から顎のラインを通り喉仏を通る、 こそばゆさで方を上げれば喉で笑う徳井の声がした、意地悪。そして極めて悪質だ、 そのまま掌が鎖骨をなぞり肩に吐いたと思えば二の腕から掌に当たり何かを握り締められた。 開いて視線を移すとそこにはエルメスのブレスが入っていた。 「・・・・おそろいにしたいやん」「うん・・・ありがと徳井クン」 そのまま腕を引かれて唇を奪われた。 徳井クンの手が無造作に体のあちこちへ張ってくるのをうすらに感じながらも いつか徳井クンのこの体に一生消えないキスマークを作ってやりたいと 虚ろ虚ろに考えていた ★ ★ そして徳井の首には一生消えないあのキスマークが出来たのでした。 |